CPUクーラーの役割
パソコン稼働時はCPUは常にデータの処理を行うため、非常に高温になります。
最も負荷のかかるパーツであると言えます。
パソコンを付けている間、すべてのデータを処理・演算するわけですから、当然負荷がかかります。
通常は40~50℃くらいが平均値ですが、重いアプリケーションを実行すると、70~80℃を超えることもありますね。
それよりもさらに高い温度(100℃以上)が続くと、「熱暴走」という現象が起きることもあります。
CPUの温度が高温になり、高負荷な状態が続くことで、処理が行えなくなる現象のこと。
CPUにダメージを与え、最悪故障の原因ともなりえる。
近年のマザーボードは熱暴走を検知すると電源を落とすという機能が備わっています。
この設計によりCPUが故障してしまうという最悪な事態を防ぐことができます。
最近のCPUは安全設計が完備されているものの、高負荷な状態はCPUの寿命を短くしてしまいます。
安全対策はあっても、そもそも熱暴走を起こしてしまうことこそ問題ですよね。
そのためにCPUを効率よく冷却するパーツがCPUクーラー(システムファン)です。
CPUクーラーの役割
CPUの発熱に伴って、冷却を行なうための装置がCPUクーラーです。
膨大なデータを処理する為、高い電力が集中するCPUを効率よく冷却することができます。
CPUクーラーにも種類があり、送風によって冷却する「空冷式」と、
冷却水を用いして冷却する「水冷式」の2種類あります。
空冷式のCPUクーラー
こちらが空冷式のCPUクーラーです。
仕組みはCPUの上にクーラーの金属板を密接させて、熱伝導を利用します。
この金属板がCPUから発生した熱を吸収し、ファンの送風によって金属板を冷却します。
ごく一般的なパソコンはこの空冷式が多いです。
取り付けが簡単なので、初心者の方でも安心して取り付けが行えます。
水冷式のCPUクーラー
一般的な家電量販店などで売られているパソコンは空冷式ですが、
もうひとつ水冷式というタイプがあります。
空冷式と比べ、圧倒的な冷却性能を望めます。
水冷式の場合、チューブに入った冷却水によって金属板を冷やすため、空冷式よりも冷却効果が高いです。
熱を吸収した冷却水はチューブ内を循環し、クーラーによって冷やされ、再び冷却水として利用できます。
また、見た目のかっこよさから自作PCユーザーには好まれており、デザイン性を考慮し付ける人も多いです。
高い冷却効果を生む分、デメリットもあります。
- 装置が大きすぎるため邪魔になる。
- 価格が空冷式と比べ高価。
- チューブが破損して水漏れが起きるリスクがある。
空冷式と比べると、水冷式は装置が大きいため、取り付けが大変です。
内部スペースが狭いパソコンに付けた場合、熱が籠り易くなり、かえって冷却性能が悪くなることもあります。
そして空冷式よりも価格も高め。
冷却水を利用している為、チューブが破損すれば水漏れし、大惨事となる場合もあります。
グリスによる冷却効果!
CPUクーラーを取り付ける上で、もうひとつ重要なことがあります。
実は、CPUとクーラーの金属板の間にはグリスが塗られています。
グリスはCPUの熱を金属板に伝道させる役目があり、必ず必要です。
グリスは注射器型のものが大半です。
CPU購入時に同梱されているリテールクーラーの場合、金属板に始めから塗られていますが、
別途CPUを購入する際や、新しくグリスを塗りなおす時に必要になります。
グリスにも種類があり、銅、銀、ダイヤモンドなど様々な素材のものがあります。
素材によって熱伝導性が変わってきますのでこだわりたい人はこだわると良いでしょう。
CPUの熱暴走を起こさないためにもグリスは絶対塗るようにしましょう。
また経年によってグリスが硬化して伝導性が悪くなることがあります。
その際にはグリスの塗り直しましょう!
最適なCPUの温度は?
おおよそ最適なCPUの温度は通常状態(待機状態、アイドル時)で30~40℃が理想です。
3Dゲームや重いアプリケーションなど使っていると、普通に50~60℃あたりは普通に超えますが、
常時この温度ではなければ、問題はありません。
CPU温度が常に70℃以上になる場合は対策が必要です。
注意するべきことはCPUが高温だけでなく、極端に温度が低い状態も要注意です。
特に、冬場など冷え切った部屋でパソコンを起動する時、
極端に気温が低いと、パソコン起動時にCPUにものすごい負荷がかかります。
冬場、車のエンジンをかけようとしたときに、エンジンが凍結して動かないような感じです。
人間でも真冬にいきなり走ったりすると心臓に負担がかかるのと同じで、パソコンも負荷がかかりますので、
室温には注意したいところですね。
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