期待のCore i9の性能や消費電力は?インテル最新CPU「Skylake-X」発売後の自作PC界の反応に迫る!
「Skylake-X」コアを採用したインテルの最新CPUが2017年7月14日に発売したことにより、市場を賑わせていますよね。
特に今回何が凄いのかというと、最上位モデルとして初めてCore i9が加わったことです。
そうなんです、10コアにして20スレッド対応モデルとして「Core i9-7900X」という製品が登場しました。
インテルも負けじと最新CPUをここで市場に投入してきましたか、という感じですね。
他にも「Skylake-X」コアを採用したモデルとして、Core i7-7820X、Core i7-7800X、
「Kaby Lake-X」コアを採用したモデルとして、Core i7-7740X、Core i5-7640Xの計5種類のCPUが新たにラインナップとして加わった「Core X」シリーズとなります。
詳しい性能表については後述でご紹介していきます。
最新のインテルCPUがこの時期にリリースはRYZENの影響?
近年CPUのスペック向上が停滞していた中、少し前にはAMDによるRyzen 3/5/7の投入により活気が出てきたCPUのマーケットですが、今CPU市場はとても熱くなっている状態です。
このAMDがリリースした特にRyzen 7は安価でもコア数が多く、マルチスレッディングの性能が高いことで話題になりました。
一気に注目の的となったRyzenのリリースに伴い、大半を占めるSocket AM3+のマザーもモデルが変更していき、発売以降は急速にSocket AM4のマザー製品が増えていきました。
さらに16コアのハイエンド製品としてRyzen Threadripperが発表されたということもあり、いよいよCPU市場もコア数というテーマでシェアの拡大を図ろうとしている感じがしますね。
その一方で今回のようにCore i Xシリーズの発売に加え、Core i9シリーズで最大18コアの製品の発表と第8世代Coreシリーズの進捗についても発表という急速な流れを生む状況にインテルが陥ったのは言うまでもなく、AMDの圧倒的な製品リリースが起因しているのでしょう。
今まさにインテルとAMDのCPU市場での戦いが激化しているのです。
Core i Xシリーズの驚異的な性能
まずは今回リリースされたCore XシリーズのCPU5種の性能を見ていきます。
Core i9 7900X | Core i7 7820X | Core i7 7800X | Core i7 7740X | Core i5 7640X | |
---|---|---|---|---|---|
コードネーム | Skylake-X | Skylake-X | Skylake-X | Kaby Lake-X | Kaby Lake-X |
コア/スレッド | 10/20 | 8/16 | 6/12 | 4/8 | 4/4 |
定格クロック | 3.30GHz | 3.60GHz | 3.50GHz | 4.30GHz | 4.00GHz |
TB2.0最大 | 4.30GHz | 4.30GHz | 4.00GHz | 4.50GHz | 4.20GHz |
TBM3.0 | 4.50GHz | 4.50GHz | - | - | - |
L3キャッシュ | 13.75MB | 11MB | 8.25MB | 8MB | 6MB |
対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2400 | DDR4-2666 | DDR4-2666 |
PCIeレーン数 | 44 | 28 | 28 | 16 | 16 |
TDP | 140W | 140W | 140W | 112W | 112W |
スペック表にまとめた製品はエンスージアスト向けCPU「Core X」シリーズの第1弾です。
見比べて頂ければわかる通り、最上位モデルである「Core i9 7900X」は圧倒的な性能を誇っています。
特質すべきことはやはり、コア数が10個であること、L3キャッシュの領域が13.75MBと豊富であること。さらに定格クロック時では3.30GHzであるが、ターボブースト機能有効時には最大で4.50GHzも出力が出るようです。
対応ソケットはいずれもLGA2066を採用しているため、旧世代であるBroadwell-Eのソケット(LGA2011-v3)とは互換性はなく、従来のマザーボードには取り付けは行えません。
このようにインテル製CPUはモデルが変更される際には、ソケット規格自体も変わることが多く、その度にマザーボードを含めたPCパーツを総入れ替えしなくてはならないというデメリットがあります。
あくまで今回のリリースは新シリーズのインパクトを市場に拡大するための前座的位置に過ぎないと思いますが、注目を集める上では十分に効果があるのではないでしょうか。
さて、これら最新のCPUの性能や消費電力などについてレビューされている方がおり、各サイトで公開されています。
ここからはi9 7900Xを中心に情報を取り上げていくことにします。
定格クロックでも超高温?オーバークロックなら水冷化は必須!
Core XシリーズのCPU「Skylake-X」のTDPは140Wと性能の割にはそれほど高くないため、初めて目にした人からしてみれば、発熱量はそこまで多くないように感じるかもしれません。
ところが、あくまで140Wという数値は定格クロック時の消費電力であって、処理負荷時にはターボブースト機能が働きます。その際、クロック数の制御が行われると同時にTDPも上昇してしまいます。
TDP制御そのものはマザーボードによるため、製品によっては極端に高くなってしまうという報告もあります。
もちろん、ターボブーストによるTDPの増加は今回のCPUに限らず当たり前のことではありますが、特に「Skylake-X」シリーズはこのTDPの増加幅が大きいようです。
特に最上位モデルである「Core i9 7900X」は消費電力が爆発的に大きく、前モデルのi7 6950XやRyzen 7 1800Xと比べてみても燃費が悪いみたいですね。
噂では定格クロック時でCPUの温度が80℃を超える場合もあるようでとんでもない発熱量です。
前述のとおりターボブースト機能とそれに対応するマザーボードの制御の差によっても違いがありますが、ここまで高温となるということは・・・、オーバークロックすれば100℃は超えるのではないかと予測できます。
もしオーバークロックをしたいというユーザは水冷化は必須だと言えるでしょう。
なんにせよ今回リリースされたCPU(特に上位モデル)については冷却性能の高いパソコン環境で利用せざるを得ない製品であることは分かると思います。
TDPが必ずしも発熱量と比例するとは限りませんが、TDP140Wの記載だけで大したことと判断してしまうのは危険であることがわかります。
動画編集に抜群の性能?エンコード処理におすすめ!
やはり一番気になるのは実性能であり、どれくらい処理速度が上がるのでしょうか?
「Core i9 7900X」の前世代となるBroadwell-E世代のCore Xシリーズ「Core i7 6950X」と比較すると、コア数は変化がないものの、全体的なクロック数やL3キャッシュ領域が圧倒的に増えており、パフォーマンスは明らかに高くなっています。
ところが、一般的な3Dゲームのベンチマークを行なった方の情報によると、
体感で感じられるほどの性能の違いは感じられないという結果になってしまい、むしろ消費電力が高くなるというデメリットもありパソコンを稼働させる上での効率性は落ちてしまうということのようです。
要するにプレイするゲームにもよりますが、ゲームの処理速度に関してはあまり大きな変化は見られないということですね。
これは、ゲームのシステムそのものがCPUのパフォーマンスを十分に活かせるようにプログラム設計されていない為、従来のモデルの同等性能のCPUとの差があまり感じられないということだと思われます。
あとは消費電力が高く、熱量が多いのでパフォーマンスが安定しないというのも原因でしょうか。
しかし、その一方で「動画のエンコード」のように高負荷な処理についてはコア数とクロック数がものを言わせるため、「Core i9 7900X」を利用すれば高速動作したという報告もあります。
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Intel CPU Core i7-7820X 3.6GHz 11Mキャッシュ 8コア/16スレッド LGA2066 BX80673I77820X 【BOX】 新品価格 |
Intel CPU Core i7-7800X 3.5GHz 8.25Mキャッシュ 6コア/12スレッド LGA2066 BX80673I77800X 【BOX】 新品価格 |
Intel CPU Core i5-7640X 4GHz 6Mキャッシュ 4コア/4スレッド LGA2066 BX80677I57640X 【BOX】 新品価格 |
これは膨大なデータの動画編集をされる方にとってはメリットが高いと思いますね。
もちろんエンコード時は幸福状態になるため、CPUの発熱量には注意し、冷却状態も万全でなくては快適な動作は難しいでしょうが・・・。
第8世代プロセッサ「Coffee Lake」は年内に発売!?
既に第8世代Core iシリーズについての発表が少し前にありましたね。
今回のコードネームは「Coffee Lake」という言うそうです。
年内には発売する予定らしいので、なんとなく11月あたりにリリースされるような気がします。
一昔前と比べて新シリーズのプロセッサのリリース頻度がかなり多いような気がしますね。それだけAMDとの競争が激しいのかもしれませんが・・。
ちなみに噂の18コアのCPUが発表されたのはご存じかと思われますが、今のところ「Skylake」と「Kaby Lake」にてラインナップに追加されるようです。
「Skylake」で登場するCPUについては「Core i9-7980XE」という名称で、18コアの36スレッドという爆発的な性能。
性能に比例して販売価格もとんでもないことになりそうです。
コストパフォーマンスに優れたマシンを組むなら、数世代前のハイエンドモデルで自作した方がよいでしょう。
雰囲気的に考えて第8世代にも年内のリリースから早期に追加されるでしょうね。
モバイル向けにはCannon Lakeシリーズが登場
デスクトップ向けのCPUのコードネームとして「Coffee Lake」が発表されました。
一方モバイル向けの方は「Cannon Lake」という名称でリリースされるようです。
噂によるとモバイル端末向けということもあり、消費電力を低くなるよう設計されているんだとか。
第8世代Core iシリーズは第7世代より性能比が30%増
最後に第8世代CPUについての情報となります。
なんとこちらのシリーズは現行の第7世代である「Kaby Lake」よりもパフォーマンスが30%も改善されるというらしいのです。
処理性能はもちろんのこと、省電力性能がさらに進化するようです。
特に今回の記事に紹介した「Core i9 7900X」のように消費電力が非常に高い製品は取扱いに困ることでしょう。
同等性能のCPUが今後「第8世代」でリリースされた際には、ある程度許容できる温度であることが期待が寄せられています。実際はどうなるかわからないですけどね・・・。
もはやここまで高性能な製品が並んでしまいますと、どのCPUで自作PCを組めばいいのか、迷ってしまいますよね。
一時と比べ選択の幅が多くて自分のニーズと合うものを選定することが難しくなりそうです。
自作PCユーザは別に問題なさそうでしょうが、一般の人が初めてパソコンを組まれる際には、「必要以上の性能になってしまい、出費が多くなってしまった・・・。」なんてことが起きそうです。
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