世界初10TBの大容量HDDの新モデルが日本上陸?HGST製Ultrastar He10の発売日と価格は?
随分前に発表のあった世界初の10TBハードディスクの話題についてです。
2015年の6月に初めてHGSTから10TBのハードディスクが発売されました。
当時リリースされた製品の仕様はヘリウムガス充填方式と
瓦磁気記録(SMR)を組み合わせた「Ultrastar Archive Ha10」というものでした。
新たに発表された10TBの大容量HDD「Ultrastar He10」は
垂直磁気記録方式(PMR)という内部のシリンダーを複数組み合わせた構造をしています。
素晴らしいところはこれまで大容量HDDで一般的に採用されていた瓦磁気記録方式ではなく、垂直磁気記録方式を利用し10TBのHDDを実現させたことで、世界初のモデルらしい。
日本国内での販売は行われていませんが、海外では既に店頭で並んでいるようです。
実はつい最近ツクモパソコン本店4Fで開催された「ASUSTOR×HGST NASイベント」で、
国内で初めて「Ultrastar He10」の実機が公開されたそうです。
もうじき日本でも販売が開始するという情報があったので、
改めて「Ultrastar He10」について軽くまとめておきたいと思います。
大容量すぎる10TBのHDD「Ultrastar He10」のすごい点
大きく話題を取り上げられたところは、
Ultrastar He10は「垂直磁気記録方式(PMR)」を採用していた点でした。
そもそも前モデルとして発売された「Ultrastar Archive Ha10」は
10TBという大容量化を実現させるために「瓦記録方式(SMR)」でした。
瓦記録方式と垂直磁気記録方式の違い
瓦記録方式
そもそもHDDを大容量化するには内部の磁器シリンダーの記録領域をコンパクトにする必要があります。
HDDのデータ記録先であるメディアはお菓子のバームクーヘンのような年輪構造をしています。
この輪のことをHDDではトラックという単位で数えます。
このトラックが多ければ多いほどHDDの記憶容量は大きくなります。
瓦記録方式ではトラック幅を小さくすることによりトラック数を増やし、
記録領域を増やすというものです。
前モデルの「Ultrastar Archive Ha10」は大容量を実現させるためにこの方式がとられました。
垂直磁気記録方式
一方、Ultrastar He10では垂直磁気記録方式が採用されていますね。
名前の通り垂直磁気記録ではバームクーヘンを垂直に並べた複数構造になっています。
このバームクーヘン1つの単位をシリンダーと呼ぶのですが、
HDD内にシリンダーを複数併せて記録する方式になります。
瓦記録方式と比べ、HDD内部のスペースが圧迫されるため、
垂直磁気記録方式では大容量化が難しいのです。
しかし、HGSTはやってくれました。
世界初で垂直磁気記録方式を採用した10TBのHDDを開発しました。
その情報が2015年12月時点で出回っていましたね。
Ultrastar He10の書き込み速度が優れている点
Ultrastar He10のウリにしているのは書き込み速度の速さです。
書き込む速度が速い大きな理由は「PMR」を採用している点です。
シリンダーが垂直に複数セットされているので並列でデータを一度に書くことが可能です。
瓦記録方式ではトラック単位に順番に書き込むので「SMR」と比べ低速になってしまいます。
また、「SMR」によりHDDへのランダムアクセスの速度が高いという点も注目が集まっています。
SMRのデメリットであったランダムライト速度の低下が軽減され、
高速書き込みに適した性能を誇る大容量HDDのことですね。
要するにUltrastar He10は大容量な上に高速というパフォーマンスの高さがすごいのです。
空気より軽いヘリウムガスを充填した大容量HDD
HGSTの得意分野とする「ヘリウム技術」。
従来のモデルにもヘリウムガスを充填させ、HDDの安定化を図ってきました。
空気よりも軽いヘリウムをHDD内に充填することによって、
内部のシリンダーのディスク回転時の抵抗を軽減させることが可能になります。
回転時の抵抗を軽減することでHDDの省電力性が向上します。
「Ultrastar He10」もヘリウムガスが充填されたモデルであり、
省電力化が行われさらにパフォーマンスが高くなっています。
随分前に登場した8TBモデルHDDよりヘリウムガスの容量比25%の増加と
従来の空気ベースの垂直磁気記録HDDと比べて消費電力で56%の低減を実現しています。
耐久性にも定評があり、250万時間ものMTBFに加え、製品保証が5年間も提供されるといいます。
主なスペックは、HDDの回転数が7200RPMと普通に高速なハードディスク。
データバッファーが256MBで、持続的転送速度は249MB/sと標準的な性能になっています。
日本国内での発売日はいつになる?
既に海外ではエンタープライズ向けの大容量HDDとしてリリースされています。
こちらは「HelioSeal」採用のモデルの第3世代製品となっているようです。
ちなみに国内では先月から企業向けにサンプルの出荷が行われており、
量産品の販売は今年の3月頃になるらしいです。
ツクモで展示品が発表されたというのもあり、国内では恐らく最速で入荷するのはツクモだと予想できます。
販売価格については今のところ未定ですが、
たぶん6~8万円あたりなのではないでしょうか?
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